これまでのライフサイエンス分野での学術的な研究の中で発見された天然化合物の新しい生理機能に着目し、これらを配合した新製品を開発することができました。例えば、生薬甘草中に微量に存在する多機能性ポリフェノールであるイソリクイリチゲニン(ILG)の持つ複数の生理活性に着目し, アンチエイジングのためのILG配合高機能性化粧品を実用化しました。そして、本研究により、アンチエイジングを科学的に検証することの重要性を理解することができました。そして、ILGは、抗酸化作用だけでなく、抗炎症作用、血小板凝集抑制作用(血栓の形成を抑制する作用)、抗アレルギー(アトピー)作用、メラニン色素生成抑制作用(チロシナーゼ阻害作用)などのアンチエイジングにとって有用な複数の生理機能を示します。また、ILGと同様、有効性の高い多機能性ポリフェノールを配合した健康食品のアグリポリオールを製品化することができました。特に、アグリポリオールに配合した多機能性ポリフェノールは、医薬品には無い機能として、酸化ストレスを遺伝子レベルで抑制することができる成分なのです。これらの多機能性ポリフェノールの機能は、多くの世界的な学術論文において報告されており、本講義では、これらの学術的知見を紹介しながら、ニセ科学では無い、本物の健康成分とは何か?について詳しく紹介させていただきます。